ほいくだより

2004年3月

少し冬を思い出す寒さの中に3月を迎えました。聞けば梅の開花から1ヶ月は雪を見ることがあるとか。まだまだ白いものがちらつきそうですね。しかし、園庭の桜の花の芽もふくらんできたように見えます。やがて一つ二つの花を見つける頃には卒園式・修了式を迎えます。桜の花びらが舞う4月から一年が経ちました。子どもたちの成長は言うまでもありません。確かな成長は目の前にスッと立つ姿を見れば納得です。それでは私たち大人はどうでしたでしょう。 はたして見ればわかるほど成長したでしょうか?子育ての一貫性をつらぬいてきたから・・・と惑わさず、ゆっくり振り返ってみる必要がありそうですね。
 写真現像をdevelopmentと言います。この言葉を明治の心理学者の人たちは「発達」と訳してしまいました。例えば「3歳児の発達」というと右肩上がりに大きく成長することをイメージしますが、本当の意味では「うかびあがってくるもの」というような感じです。人間の発達というのは右肩上がりばかりでなく齢を重ねて耳が聞こえにくくなったりすることも「発達」なのです。
 そこに昨日と少し違う自分が居れば、その分発達したことになります。言葉が増えた子どもと話す大人の言葉も変わってきているはずです。大人自身の成長が子どもにとってより好ましい方向に育ってきただろうかと振り返ることをお勧めします。
 今年のかまたきは2月13日からはじまり16日まで続きました。1月の終わりからボチボチ窯詰めをしましたから約半月かかっての窯作業でした。作品は少なかったのですがなかなかのできばえです。2日の日には子どもたちの作品を出します。懐中電灯で見るとキラキラと釉が光ります。とっておきの宝物を探し出すようで、とても楽しみです。作品の楽しみもさることながら、自分が、自分とお母さんが一緒に手をかけた作品を手にした子どもたちの顔を見ることも楽しみです。すっかりちぢんで、つるつると光る「やけもの」は、子どもたちの期待を裏切りません。自分の手のあとを見ればどのようなかたちでも「なつかしい」ものになります。ここにも一つの成長があります。炎によって生まれ変わった土のかたまりとそれを迎え入れる心。やっぱり出来不出来も気になりますからより複雑に心が動きます。電気釜ですっきりハッキリ焼き上がるのでなく、複雑な薪の炎で焼成された故の不思議さがその複雑な心を象徴しているようです。
作品展を楽しみにしていて下さい。


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